【この記事の概要】
家で仕事をする時間が増えた今、「自宅の一部をお店にしたい」「暮らしと仕事をうまく分けたい」そんな声をよく耳にします。でも、いざ考えてみると、「生活感をどう隠す?」「接客スペースをどこに置く?」と悩む人も多いもの。このコラムでは、自宅と店舗を共存させるリノベーションについて、空間づくり・素材選び・導線設計のポイントを、少しリアルな視点でお話しします。


1. “暮らしと仕事”が混ざる時代に
ここ数年、家の中に仕事のスペースをつくる人が増えました。在宅ワークや小規模サロン、アトリエやカフェなど。「働く」と「暮らす」が、同じ場所で自然に重なってきています。
でも、この“混ざり方”を間違えると、暮らしも仕事もどっちつかずになってしまう。自宅兼店舗のリノベでいちばん大事なのは、「分ける」よりも「切り替えられる」設計なんです。
2. 空間を“分けずに整える”発想
完全に壁をつくって分けるのではなく、素材や照明の使い方で“境界”をつくるのがコツです。たとえば、店舗側は少しトーンを抑えたクロスにして、家庭側はやわらかい白をベースにする。光の色や素材の質感が違うだけで、空気の切り替えが生まれます。
床材も同じです。お客様が来るゾーンにはフロアタイルや塩ビタイルを、リビングにはカーペットや木目調のフローリングを。踏み心地が変わるだけで、自然に“暮らしのエリア”と“仕事のエリア”が分かれます。
障子やスライド建具を仕切りに使うのもおすすめです。閉めればプライベート、開ければ店舗。そんな“動く境界線”をつくっておくと、気持ちの切り替えもスムーズです。
3. 来客を迎える“見せ方”の工夫
自宅兼店舗の悩みの多くは「生活感」。でも、実はほんの少しの工夫で印象は大きく変わります。たとえば玄関。お客様が入る導線上にアクセントクロスを使うと、空間に“場の雰囲気”が出ます。明るい色を選ぶよりも、少し落ち着いたトーンの方が信頼感を与えてくれます。
照明も、ただ明るいだけではもったいない。カウンターや商品棚をやわらかく照らす間接照明を入れるだけで、お店の印象がぐっと洗練されます。
また、プライベート空間が見えないように、カーテンやロールスクリーンで視線をさりげなく遮る工夫も効果的です。見せたいものと隠したいもの、その境界をデザインでコントロールする。それだけで「お店っぽさ」が生まれます。
4. 導線と暮らしの“バランス”を整える
仕事と生活の導線をきちんと分けておくと、一日のリズムが整います。店舗入口と住居入口を別に設けられない場合は、床材の色や照明の明るさを切り替えて“心理的な境界”を演出します。
朝はお客様を迎え、夜は家族がくつろぐ。そのどちらも気持ちよく過ごせるように、動線を“どちらかに偏らせない”ことがポイントです。
自宅兼店舗で使いやすい素材まとめ
| 使う場所 | おすすめ素材 | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 玄関・接客スペース | フロアタイル・石目調シート | 耐久性が高く、見た目も上品。掃除しやすい |
| リビング・家族空間 | カーペット・木目フローリング | 足ざわりがよく、音も吸収して落ち着く |
| 間仕切り・可動部 | 障子・スライドドア | 開け閉めで空間の使い方を変えられる |
| 窓まわり | カーテン・ブラインド | 視線をコントロールし、昼夜で印象を変える |
| 壁 | クロス・塗装 | トーンを変えて空気の違いを演出 |
5. “暮らす場所”と“働く場所”が混ざる豊かさ
家と仕事をひとつの空間にまとめることは、最初は難しく感じるかもしれません。でも、きちんと設計すれば“好きなことと暮らすこと”が同じ軸に置ける。
朝の光の中で準備をして、昼はお客様と会話をして、夜は同じ場所で家族と食卓を囲む。それは、ただの効率化ではなく、暮らしの中心に“自分の仕事”がある生き方です。
まとめ
自宅兼店舗のリノベーションは、“仕切る”ことより“整える”こと。境界をやわらかく保てば、仕事も暮らしも気持ちよく続いていきます。家もお店も、あなたらしさがにじむ空間にしていきましょう。
この記事について
この記事は、内装仕上工事のプロフェッショナル「ヒロ室内装飾」が執筆・監修しました。
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