内装デザインの選び方と費用の考え方

【この記事の概要】
築20年以上の戸建てに暮らしていると、ふとした瞬間に「この家もそろそろ手を入れたいな」と感じることがありますよね。
壁の色がくすんできたり、間取りが今の生活に合わなくなってきたり。家族のライフスタイルが変わると、家もそれに合わせて少しずつ変えていく必要があります。
ただ、いざリノベーションを考え始めると、「どこまで直すべき?」「費用はどれくらい?」「まず何を決めたらいい?」と迷う方がほとんどです。
このコラムでは、戸建てリノベーションで後悔しないための考え方を、デザイン・費用・素材選びの3つの視点からお伝えします。
第1章:戸建てリノベーションの流れと費用の目安
1-1 リノベーションは“暮らしを再設計する”プロジェクト
リノベーションというと「古い家を壊して新しくする」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。 でも実際は、“家族の暮らし方を再設計する”こと。今の生活に合わなくなった部分を見直し、これからの時間をより快適にするためのプロジェクトです。
一般的な流れは次の通り。
- 現地調査・ヒアリング(今の暮らし方や悩みを整理)
- デザイン・間取りプランの提案
- 見積もり・契約
- 解体・施工
- 完成・引き渡し
築年数が20年を超える家では、断熱・配管・電気系統といった「見えない部分」の確認がとても大切です。 表面をきれいにしても、土台がそのままでは快適さは長続きしません。
1-2 費用の目安
リノベーション費用は、工事範囲によって大きく変わります。ざっくりとした目安は次の通りです。
| 工事の範囲 | 費用の目安 |
|---|---|
| 部分リフォーム(リビング・キッチンなど) | 100〜300万円 |
| 内装全面リノベーション | 600〜1200万円 |
| 間取り変更+設備更新込みのフルリノベ | 1000〜2000万円前後 |
埼玉や関東圏では、1㎡あたり10〜15万円が相場感です。 ただし、構造や築年数によって補修が必要になることもあります。 最初から「全部直したい」と決めるよりも、「どこをどう変えたいか」を整理して、段階的に考える方が現実的です。
第2章:デザイン別に考える「暮らしを変える空間」
リノベーションのいちばんの魅力は、「今の暮らし方に合わせて、好きなように空間をつくれる」こと。デザインを考えるときは、**“オシャレさ”よりも“暮らしやすさ”を軸にする**のがおすすめです。 朝起きてから寝るまでの動線を思い浮かべながら、「ここがこうなったら気持ちいいな」と想像してみてください。
| スタイル | 特徴とポイント |
|---|---|
| ナチュラルモダン | 白や木目を基調に、明るくあたたかい空間に。照明はダウンライトと間接光でやさしい印象に。 |
| ヴィンテージ/ブルックリン風 | 古い梁や柱を活かして、レンガやアイアンで味を出す。築年数のある家に自然に馴染みます。 |
| 北欧スタイル | 明るい木と淡い色で開放感を演出。リビング中心に家族が集まる空間にぴったり。 |
| 和モダン | 畳や障子を残しつつ、無垢材と間接照明で現代的に。親世代との同居にも向いています。 |
どのスタイルも、**“家の性格”との相性が大事**です。 無理に流行を追うよりも、家の持つ素材や雰囲気を生かすと、自然で長く愛せる空間になります。
第3章:素材選びと耐久性・メンテナンス性の考え方
リノベで意外と後悔が多いのが「素材選び」です。 見た目や値段だけで決めてしまうと、数年後に「こんなはずじゃなかった」となることも。
| 素材 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 無垢フローリング | 木のぬもりと高級感。経年変化を楽しめる。 | 湿度で反りが出ることも。施工技術がカギ。 |
| フロアタイル/複合フローリング | 耐水性・耐傷性に優れコスパも◎。 | 質感はやや人工的。 |
| 珪藻土・漆喰の壁 | 調湿効果・消臭性に優れ、自然素材派に人気。 | クロスより高価で施工に技術が必要。 |
| クロス(壁紙)+アクセントウォール | 手軽に印象を変えられる。 | 汚れや傷にはやや弱い。 |
築古の家では、「古い構造と新しい素材をどう調和させるか」がデザインの完成度を左右します。 見た目の美しさだけでなく、掃除のしやすさ・メンテナンスのしやすさを重視することも長持ちのコツです。
第4章:業者に相談する前に整理しておきたい3つの準備
「とりあえず相談してから決めよう」と思う方も多いですが、少し準備しておくだけで打ち合わせの質が変わります。 おすすめはこの3つ。
- リノベの目的を言葉にする
- たとえば、「子どもが独立したから間取りを変えたい」「親と同居できるようにしたい」「テレワークに合う空間にしたい」など。
- 予算の上限と優先順位を決める
- 全面改修が難しい場合は、まず「生活動線」や「断熱」など“日常の快適さ”に直結する部分から。
- 好きな空間のイメージを集める
- SNSやPinterestなどで“好きな雰囲気”をストックしておくと、業者との打ち合わせがスムーズです。
築年数が経った家の場合は、見た目だけでなく「長く安心して暮らせる構造に整えること」も重要です。 見えない部分まで丁寧に見てくれる会社を選ぶと、結果的にコスパの良いリノベになります。
まとめ:“今の暮らし”に合わせて生まれ変わらせる
リノベーションは、“古い家を新しくする”というより、
これからの家族の暮らしをデザインし直すこと。
後悔しないための3つのポイントをもう一度。
- 家族の変化に合わせて「目的」を整理する
- デザインと素材のバランスを考える
- 見えない部分(構造・断熱)にも目を向ける
埼玉を中心に戸建て・マンションのリノベーションを数多く手がけています。 デザイン提案から施工、アフターサポートまでワンストップで対応。
**“これからの暮らし”を一緒につくっていきませんか?**